福島県喜多方市熊倉地区生で開催した
「被災シュミレーションもしもすごろく」を使ったワークショップ。
これまで過去に皆さんが作成したすごろくでよく見られたのが、
「被災場所から避難場所までワープ」。
そう、被災未経験者からすると、
避難経路や道中のリスクをイメージすることが難しいということです。
確かに災害関連の報道でも、被害状況や犠牲者数ばかりで、
どうやって生き延びたのか、どんな危険があったけど
乗り越えて避難所に辿り着いたのかを教えてくれる機会は
そんなにないかもしれません・・。
この記事では、皆さんに課題として設定した内容と、
皆さんの導き出したすごろくにコメントしていきたいと思います!
<全グループ設定>
①春の平日午後に大地震発生!
②人物1〜5まで全員熊倉町に自宅がある
(細かい地区設定はグループにお任せ)
★設定1(1グループ)
・田畑が多く比較的平坦なエリアのグループが担当
・80代、一人暮らし、車無し。自宅近くの畑で作業中に被災。
・所持品:くわ、てぬぐい、ペットボトル1本、ぼうし
・想定リスク⇨家の屋根が倒壊、中に入れない・・!
・避難場所⇨公民館
ico.コメント:備蓄を分散収納させていたのが功を奏しましたね!一人暮らしで自力移動できる範囲が狭い方は、普段からのご近所付き合いや頼れる人の存在が大切です。連絡先はメモして携帯しておきましょう。
★設定2(2グループ)
・山間地周辺のグループ(塩川に隣接)が担当
・70代の夫婦2人暮らし、車あり。夫婦で南原堤の桜を鑑賞中に被災。
・想定リスク⇨橋に次々亀裂が発生!
・避難場所⇨近くの避難所 駒形公民館
ico.コメント:橋に亀裂を発見したことで、周囲に知らせ(情報共有)、柔軟に避難場所を変更。自宅やあらかじめ想定していた避難所には行けない場合もあると心得ておきましょう。
★設定3(3グループ)
・熊倉小学校近隣のグループ(市街地側)が担当
・60代、一人暮らし、車あり。御清水公園の桜を鑑賞中に被災。
・想定リスク⇨停電でコインパーキングから車が出せなくなった!
・避難場所⇨熊倉小学校
ico.コメント:市役所や避難所も近いエリアでの被災でした。周りから情報を入手しつつ自分も発信する「みんなで助かろう」という姿勢がとても大切だと感じます。
★人物4
・熊倉小学校近隣のグループ(山間地側)が担当
・70代の夫婦2人暮らし、車1台あり。
夫が雄国萩平地区の友人宅に旧街道で向かう道中に被災。
携帯電話あり。妻は自宅。
・想定リスク⇨土砂崩れで小国沢周辺の道が寸断
・避難場所⇨雄国の分校へ一時避難。
ico.コメント:夫と妻二人分の被災シュミレーション(お疲れ様でした!!)。山間部の主要道路が寸断した最悪の想定でした。さらなる土砂崩れ(二次被害)もあり得るので、一時避難場所も安全な立地か確認の上避難しましょう。
★人物5
・山間地周辺のグループが担当
・80代女性。夫は農協へ外出、60代の娘夫婦・30代の孫2人も仕事へ。ひ孫2は小学校に行き、ひとり在宅でTV観賞中に被災。運転できない。ひとり在宅中に被災。
・想定リスク⇨家の中はめちゃめちゃ、ライフライン断絶
・避難場所⇨近く(下り坂5分)の集会場
ico.コメント:大地震では電柱すら折れ曲がるので、物につかまるよりは、落下物や倒壊の恐れのある物が少ない広い場所がより良いですね。集会所まで5分で行けるということは、集会所の鍵当番さんより早く着いてしまうこともあると想定しておきましょう。
いかがでしたでしょうか?
「どこのこと?」と参加者以外は首を傾げるでしょう。
でもそれでいいのです。少なくとも今回でこのエリアの
被災シュミレーションは5パターンも出来ました。
参加者だけでなくこうして読んでいくだけでも、
発見があったのではないでしょうか。
これらを参考にぜひ、あなたのまちのもしもすごろくも作ってみてくださいね。
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